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履物を揃える―「友の会だより」No.115号より―

履物を揃える―「友の会だより」No.115号より―
 今年七月に開催された北海道洞爺湖サミットも無事終わりました。環境を取り上げたサミットとして注目を集めたわけでしたが、CO2や地球温暖化の話ばかりで、石けんや合成洗剤などの水環境の話は出ていなかったようです。
 世界レベルで考えると水不足は深刻です。その貴重な水を、きれいな水のままで次の世代へと渡すことも、とても重要なことだと思うのですが、なかなか話がそちらに行きません。予想はしていたものの、少し残念な結果でした。
 さて、先日私は上海に行ってきました。アジア地域で現在弊社が輸出している国は、韓国と台湾です。それに加え、今年の冬までには、シャボン玉石けんを上海エリアに輸出し、そこでの販売がスタートできるよう計画しています。中国の水環境が少しでもよくなるよう、がんばらねばなりません。
 二〇一〇年の万博に合わせ、急ピッチで再開発を進めている上海。近代的高層ビルが立ち並び、一見非常にきれいな街に見えました。
 しかし、よく見るとそうでもありません。道端に捨てられているゴミの量がすごいのです。
 少し観察すると、ゴミを平気で捨てている人が多いのに気づきます。ペットボトルの空き容器など、放り投げるように捨てている人が何人もおり、しかも申し訳なさげではなく、どちらかというと堂々と捨てているようにさえ見えました。
 これには多少戸惑いましたが、ふと考えると、日本でもタバコをどこにでも捨てる人が、たくさんいます。若者に限らず、ご年配の方でも普通に、そして悪びれることなく捨てている現状。さらに悪質なケースでは、車の中から灰皿に溜まった吸殻を道端に捨てる人もいます。
 これらの原因の一つは、教育にあるのではないかと思います。
 教育の基本は、『挨拶』、『返事』、『後始末』と言います。この『後始末』ができていない人が増えているのでしょう。
 親の背中を見て子は育つ。親の躾の重要性を改めて考えさせられます。
 ここで、詩をひとつご紹介します。

はきものをそろえると 
心もそろう
心がそろうと
はきものもそろう
ぬぐときに そろえておくと
はくときに 心がみだれない
だれかが みだしておいたら
だまって 
そろえておいてあげよう
そうすればきっと 
世界中の人の心も
そろうでしょう

これは、長野県円福寺ご住職、藤本幸邦さんのお言葉なのですが、もともと永平寺を開かれた道元禅師が、「自分の履物を揃えられないようなものに何ができるか。まず履物を揃えるところから始めなさい。」と教えられたことが原点だそうです。
 簡単なことに思えますが、毎度毎度、脱いで一旦振り返り、腰をかがめて手でそろえる、というのは最初は面倒なことです。面倒ですが、それにより心が整った人格形成がなされるのでしょう。
 親がそれをきちんと躾けることで、ゴミはゴミ箱に捨て、街を汚したりする行為もなくなるはずです。そして、川や海を合成洗剤で汚すことの無い時代になるよう、世界中の人の心がそろうといいですね。
代表取締役社長 森田 隼人

―「友の会だより」No.115号より抜粋―