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五事を正す―「友の会だより」No.113号より―

五事を正す―「友の会だより」No.113号より―
 早いもので、今年ももう五月。四月から新たに羽ばたいていった新社会人のみなさんも、気持ちの上では一段落つく頃ではないでしょうか。
 財団法人 社会経済生産性本部「職業のあり方研究会」によると、今年の新入社員のタイプを指して『カーリング型』というそうです。

―そっと背中を押せば滑っていくものの、まわりをブラシでこするなどし、環境を良くしないと減速したり止まったりしかねない。磨きすぎてもまた、はみ出してしまいかねない。

 粗方このような意味なのだそうですが、幸い、弊社の新入社員たちはこれには当てはまらず、自立意識をしっかり持った人材です。ですから、ビシっとしっかり背中を押して指導し、より成長できるようしていきたいと思います。
 ちなみに私は二〇〇〇年入社。
 これによると『栄養補助食品型』だそうです。

―ビタミンやミネラル(語学力やパソコン活用能力)を豊富に含み企業の体力増強に役立ちそうだが、直射日光(叱責)に弱く、賞味期限(試用期限)内に効果(ヤル気)が薄れることあり。

 社長に就任し一年と少し。ヤル気はむしろ増幅し、一日二十四時間では足りないと思うことさえあります。社長として何をすべきか、先代ならどうするだろうか、などを考えつつ日々勉強です。
 清く正しく。というと逆にウソ臭く聞こえるのであまり好きではないですが、シャボン玉石けんは先代の理念を引き継ぎ、清く正しく、正直な経営をこれからも変わらず続けていきたいと思っております。
 その為にも、私自身、まずはより自身を律さなければならない。そんな事を考えていた所、最近「五事を正す」という言葉と出会いました。
 日本陽明学の祖で、近江聖人と謳われた江戸時代初期の儒学者、中江藤樹。その教えの中に「五事を正す」ことが大切だとあります。

 「貌、言、視、聴、思」の五事を正す。
貌(ぼう)……優しく和やかな顔つきで人と接する
言(げん)……思いやりのある言葉で話しかける
視(し)………温かい眼差しで人を見、物を見る
聴(ちょう)…相手の話に耳を、心を傾けて、よく聞く
思(し)………真心を込めて相手の事を思う

 身体全体の様子、言う事、見る事、聴く事、心に思う事。この五事を、相手を大切に思い、心遣いをもって行動しようということです。特別に難しいことを言っている訳ではなく、当たり前のことをいっているのですが、常に実践するにはいささか時間がかかりそうです。
 しかし、五事を正すことを意識していくことで、幾ばくかでも、自己の利よりも他者の利を大切に思う心ができるようにも思います。それこそが商いの心というものなのではないでしょうか。
代表取締役社長 森田 隼人

―「友の会だより」No.113号より抜粋―