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生命の神秘―「友の会だより」No.114号より―

生命の神秘―「友の会だより」No.114号より―
 弊社の前常務で現顧問、井関巌の話なのですが、彼の自宅の地下から湧き出る水路に、昨年は二匹、今年は十匹を越える蛍が連日飛び交っているそうです。
 驚くべきは、彼の自宅が佐世保市中心部の住宅街ということです。市の中心部にある住宅街で、蛍を見る機会はそうそうないのではないでしょうか。近所の方々も「こんな所で蛍を見るなんて聞いたことがない」と、みな驚いていたそうです。本人は「石けんの安全性を示すことが出来た」と大層ご満悦です。
 彼は三年前に現職を退き、地元佐世保に戻り生活を始めましたが、自宅では勿論シャボン玉製品のみの生活です。水路には他の家庭からの生活廃水(合成界面活性剤)は流入することはありません。生活廃水の流れこまない、きれいな水の水路で一年目にはメダカが戻り、二年目には蛍が復活したそうです。生命の神秘を驚かずにはいられません。奇跡は身近なところで起こっているのです。ひとり一人が生活を少し見直すことで地球環境は守れるのです。
 さて、近年「地球温暖化」が連日のように報道されていますが、その影で合成化学物質の有害性への関心が少し忘れさられているように感じます。
 欧州を見ますと状況が少し異なります。今年六月より欧州では化学物質規制「REACH」(リーチ)の運営が始まりました。
 自動車・家電・雑貨など工業製品に含まれる化学物質は、現在三万種に及ぶと言われています。その化学物質が健康や環境に与えるリスクを、企業側に登録させるのが欧州連合(EU)化学物質規制「REACH」です。つまり、健康や環境に悪影響を与える物質を使用していることを、企業が認めなければならないという事です。
 企業はEU域内で製造販売する年間一トン以上の化学物質について安全性を評価し、欧州化学物質庁に登録しなければなりません。登録に必要なデータは

① 物理的化学的な特性
  (水溶性、可燃性など)
② 健康への有害性
  (発がん性や生殖への影響など)
③ 環境影響
  (分解性や生物への毒性)

以上三項目です。しかし、人や環境への影響が大きい「高懸念物質」は販売や使用認可が必要になりますが、そのリストはまだ発表されていません。年内には公表されると思われます。多くの化学物質が規制対象になることを願っています。
 日本は環境先進国を世界にアピールしていますが、そうであれば欧州以上の厳しい規制を作り、施行しなければ遅れを取ることになります。企業は厳しい規制にさらされてこそ、技術が進歩するのです。
 子孫や未来の地球のため日本が率先して厳しい規制を作ることを願わずにはいられません。
専務取締役 高橋 道夫

―「友の会だより」No.114号より抜粋―