今年は環境問題について考えさせられる大きな動きがありました。アメリカ元副大統領のアル・ゴア氏が、地球温暖化をテーマとしたドキュメンタリー映画「不都合な真実」を発表し、それが大変話題となりました。
二酸化炭素排出量増加による地球温暖化により、急増するハリケーンや台風災害、アマゾンの森林破壊。また、極地の氷や氷河の縮小化の実態など、地球環境の深刻さを伝える図表や写真をふんだんに使い、多くの人に地球の危機的状況を示しました。
内容に関しては、賛否両論あるこの作品ではありますが、これが世に出たことにこそ、非常に意味があったのだと思います。つまり、もっとも重要で賞賛すべきなのは「多くの人が環境問題に対して関心を持つきっかけを作った」ということではないでしょうか。
今、世界では何が起こっているか。環境問題など、遠い世界の、遠い未来の話だと思っていた人に、気付くきっかけを与えたのです。
「地球のためにあなたが出来る最初の一歩は、この事実を知ることだ」の言葉には、私も同感です。知らないことが環境を汚染していくこともあるでしょう。知ることで「ああしよう、こうしよう」と考える事ができます。そんな知るきっかけを与えた本作の功績は大きいと思います。
もうひとつ、環境への意識改革を促した事例が過去にあります。
それは今から十五年も前のこと。一九九二年リオの環境サミットで弱冠十二歳の少女が、わずか六分ほどのスピーチで世界を変えました。その一部をご紹介します。
「オゾン層にあいた穴をどうやってふさぐのか、あなたは知らないでしょう。死んだ川にどうやってサケを呼びもどすのか、あなたは知らないでしょう。絶滅した動物をどうやって生き返らせるのか、あなたは知らないでしょう。
そして、今や砂漠となってしまった場所にどうやって森をよみがえらせるのか、あなたは知らないでしょう。
どうやって直すのかわからないものを、こわし続けるのはもうやめてください。」
この小さな少女のスピーチは全世界に大きな波紋を投げかけました。この環境サミットの後、世界の環境意識は確かに変わったのです(日本では翌年に環境基本法が制定)。経済的な利害関係のない子供の切実なる環境への想いが、利害関係で動く大人を動かしたのです。
レイチェル・カーソン著の『沈黙の春』が出版されてから四五年。衝撃的な投げかけから約半世紀たった今なお環境問題は改善されていません。むしろ悪化しています。
しかしこれらの環境問題への提示が無駄だったかというと、もちろんそうではありません。それによって気付いた人々のこれまでの環境活動の結果が、これからの大きな成果に繋がっていくのです。
弊社も三〇年以上、石けんを通じて環境問題に取り組んできました。今後も、温暖化や水環境など地球環境を改善すべく、もっと多くの方に石けんの良さを知ってもらえるよう努力していきます。
―「友の会だより」No.109号より抜粋―