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恥を知る ―「友の会だより」No.107号より―

恥を知る ―「友の会だより」No.107号より―
 日本の文化の基調は「恥の文化」であると思います。祖先の名を汚してはならない、子孫に恥を残してはならない、隣人に迷惑をかけてはいけない、など昔は祖父母や両親に教えられて、皆育ってきました。近年、少し忘れ去られているように感じるのは私だけでしょうか。
 昨今、いまわしい事件が頻発するなかで、企業も「恥の文化」を忘れてしまったように不祥事や事故が相次ぎました。
 その中でも、対応の仕方がこんなにも違うのかと考えさせられた二つの事件がありました。どちらも死亡事故を起こしてしまった事件だったのですが、その後の対応がまったく異なっていたのです。
 一つの事件では自社製品で死亡事故を起こしたにも係わらず、メンテナンス会社の改造が原因であると責任回避とも取れる発言をしました。
 確かにそうであったかも知れませんが対応の仕方が残念でなりません。
 もう一つの事件では、十数年前に製造した商品で、死亡事故が起こり、問題があったことを素直に認め、最後の一台まで全品回収すると現在も回収を続けています。
 どこからこの違いがくるのでしょうか。企業文化の違いでしょうか、それとも恥の文化の違いでしょうか。私は後者の対応がとれる会社でありたいと考えます。
 弊社に当てはめて考えてみますと、合成洗剤追放運動が始まった昭和四〇年代後半には現会長の森田自ら、合成洗剤の有害性に気づき、社業を合成洗剤製造から無添加石けん製造一筋に切り替えを行い、非常に苦しい時期(売り上げが一〇〇分の一に激減)を乗り越え、現在に至っています。
 この思いは新社長以下全社員に継承され、「恥の文化」を知る会社であると確信しています。しかし、油断をすると前者になるかもしれません。
 会社が利益のみを追求すると陥りやすい、罠かもしれません。心して社業を発展させなければなりません。
 さて、環境問題も合成洗剤追放を叫んでいた時代から、ますます悪化し、今では化学物質規制(GHS)や二酸化炭素排出規制(地球温暖化問題)と地球規模で考えなくてはならない時代へと突入しました。
 このままの発展を続けて行くと、二一〇〇年には人間のみならず、動物や植物も生きられない地球になってしまうかもしれません。それでも京都議定書に批准しないアメリカ政府(大企業の代表)がいるのも現実です。
 でも時代を変えることは出来ます。それは消費者が賢くなることです。
 弊社は今後とも「友の会だより」を通して、会員の皆様にいろいろな情報を発信したいと考えています。
  -専務取締役 高橋 道夫

―「友の会だより」No.107号より抜粋―