Interview Corner

シャボン玉石けん株式会社 代表取締役社長 森田隼人×特定非営利活動法人 NGO GOODEARTH 代表 藤原ひろのぶさん

「買いものは投票なんだ」子どもたちの未来、そして地球を守る行動を

去る3月16日北九州市で、弊社制作の化学物質過敏症ドキュメンタリー「カナリアからのメッセージ」の上映会を行いました。
当日は『買いものは投票なんだ』の著者・藤原ひろのぶさんによる講演会も同時開催。藤原さんにお話を伺いました。

特定非営利活動法人 NGO GOODEARTH 代表

藤原ひろのぶさん

大学卒業後、一般企業に入社するも3年で退職し社会の課題解決を目指す。ギニア・ネパール・バングラデシュで雇用創出事業、月間200万pvを誇るサイト「健康のすすめ」の管理人として日本各地で講演活動を展開。尊敬する人物、ガンジー。

・健康のすすめ:kenkonosusume.com

森田 講演会開催へのご協力、そして『買いものは投票なんだ』の中で弊社製品をご紹介いただきありがとうございます。

ギニアで見た環境を破壊する合成洗剤の存在

藤原 ギニアで見た環境を破壊する合成洗剤の存在。それがシャボン玉石けんを紹介した理由です。社会貢献の名の下、メーカーが合成洗剤を配布した結果、ゴミ問題や水が汚染されています。日本は合成洗剤だらけ……これは重大な問題として洗剤について本の最初に取り上げ、環境にやさしい例として御社製品を紹介させていただきました。
森田 ある実験によると、合成洗剤を入れた水槽では魚が3分も経たぬうちに絶命します。一方、石けんを入れた水槽は魚が石けんをエサにして活き活きと泳ぐ、その差は歴然です。
本の中で、地球が疲弊する様子を知った子どもが「大丈夫なの?」とお父さんに尋ねる場面。親や大人の姿勢を問われているようにも感じました。

藤原 当事者意識だと思うんです。ギニアで起こっていることは自分とは関係ない? ファストファッションを支えているのは? 食料自給率が低い日本が大量に食料を廃棄する不思議な現象は?
ギニアに行き、自分は当事者であることにやっと気づきました。そして、大人が何を意識してどう行動しているのか、それを子どもたちは見て育つことも。日本のモラルが低下してるのであれば、それは大人の僕たちが行動で示せてないからだと思います。

「無関心」という病気

森田 藤原さんの言う、「無関心」という病気ですよね。

藤原 ギニアで最初に衝撃だったのが、餓死寸前で物乞いする子どもたち……。その国の問題? それはちがいます。世界の裏側とのつながりを知り、そのつながりに無関心であることが、食料や環境など世界のあらゆる問題の原因だと気づきました。だから、当事者として意識し行動する人が増えれば問題は絶対解決に向かうと確信するようになったんです。つまり「買いものは投票」なんです。

森田 藤原さんは大学卒業後企業に入社し3年後には起業していますね。最初は農業関係、そしてギニア・ネパール・バングラデシュへと活動が広がっています。起業のきっかけは何だったのでしょうか。

聞きかじった程度の情報を鵜呑みにしていた

藤原
社会の問題を解決する、そんな漠然とした想いだけでした。当時、身近な問題といえば農家の高齢化、後継者や人手不足、お米が安く買い叩かれるという問題に着眼しました。僕がお米屋として高く買い取り、販売すれば問題解決につながると思ったんです。 でも、行動してわかったのは、「問題がなんであるかを自分が理解していないこと」が問題だと。北海道にも移住しましたが、それぞれに課題があるわけで、お門違い状態でした。聞きかじった程度の情報を鵜呑みにしていたと思い知らされました。

自分の目や耳で確かめない。確かめてもいないものに対して不安になったり思い込んだままでいる

森田 それは他人事ではありませんね。マスメディア、コマーシャルなどからの情報を鵜呑みにする、異なる情報に出くわすと右往左往してしまう。自分の目や耳で確かめない。確かめてもいないものに対して不安になったり思い込んだままでいる。気づかないまま……ですね。

藤原 起業してわかったことはたくさんあるんですが、ここでもうひとつ。気づけたら行動できる、と信じて「気づき探し」を先にする方が大半です。逆です、行動するから気づくことができる。はっきりしないことがあるなら、まず行動することだと思います。ただ、本当に価値あるものは何かということは追及すべきですね。

森田 だから現地でどんどん事業が広がっているんですね。広がるとまた新しい気づきがある、その循環です。先程講演会でお聞きした食事サポート事業でのエピソードに、はっとしました。

今の自分たちに足りないのは「やさしさ」

藤原

バングラデシュの子どもたちが通う学校設立事業もスタート。詳細はNGO GOODEARTHのホームページをご覧ください。
https://peraichi.com/landing_pages/view/goodearth

バングラデシュの孤児院の子どもたちのことですね。僕らが伺うと食事がちょっと豪華になるんです。普段まともに食事がとれていないので、ものすごくお腹が空いてるはず。でも、ある女の子の僕に対しての第一声が「お腹空いてませんか」だったんです。普段食べてない子が、明らかに食べてる異国の地の人間の胃袋の心配をしたんです。食事のよそい方を見てもわかるのですが、これ以上自分がとるとみんなに行き渡らないということを全員が知ってるんです。それがわかって、考えて、行動しているのだと思います。
今の自分たちに足りないのは「やさしさ」だと思います。彼ら彼女たちの立ち居振る舞いや言葉から気づかされました。

森田 そうですね。地球環境があぶないと言われて久しいのに、実際暮らしの中で使っているものは? 地球にやさしいものを選んでいるのか。地球にやさしい行動をしているのか。ということですよね。
では最後に、読者へのメッセージをお願いします。

藤原 「私は決意しました。明日から服着ません、明日からごはん食べません」と決意表明に来られる方もいらっしゃいます。でも、それは間違いです。ヒステリックになっても何も解決しないですし、ヒステリックは人に完璧を求めてしまうんです。完璧な人間ってどこにもいないし、僕も欠陥だらけです。 ただ、少しだけ、何か変化を起こしてください。何かひとつだけ。例えば、洗剤は海を汚さないものにする、買い物に行ってもビニール袋はもらわない。自分が正しいと思うことを、勇気を持って行動できる大人になろうよ、ということなんです。

森田 われわれも、安心安全な製品づくりを進めながら現在「SDGs〜持続可能な開発目標」という新たな切り口で情報を発信していこうと考えています。今日は貴重なお話をありがとうございました。